チベットの仏画タンカを描くスペイン在住の日本人


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”21尊ターラー” 〜その33 金泥 3〜
2015年3月の日本一時帰国からスペインに戻ってすぐに風邪を引いてしまったけれども、こじれることもなく早いうちに治ってくれて、ようやく”起床→お経と瞑想→食べる→描く→食べる→描く→食べる、、という以前の生活リズムに戻ってきた。
 

そこで今回の日本での滞在中に新しく入手した画材を試してみることに。

ニベという魚の浮き袋から作られた膠。
 
金泥に、、、と薦められて、ちょうど今制作中の21尊ターラーのタンカが金泥での作業段階だったので早速。

ここで「膠って何?」という方のために簡単に説明すると、僕が使ういわゆる”絵の具”は主に鉱石を細かく砕いたもので、この粉状のものをタンカのキャンバスに定着させる”糊”として混ぜて使うのが膠。

この膠の種類や濃度、扱い方は色の発色や定着力に影響を与える為、現時点においては作品の色具合、将来的には作品の寿命を左右する大事なもの。


まず見た目はいつも使っている、水牛や牛から作られた膠に比べると綺麗に澄んだ薄い飴色。

 


 

僕はいつも少量しか膠を使わないので、一度に準備する量は1gもない。
そこでまずは大きすぎる膠を砕いて、必要な分だけ湯に浸す。

結構堅く、弾力もあるのでこんな感じで、、、

 


 
小さなガラス瓶でお湯に浸して放置。 ふやけたところで温めてしっかり溶かす。
 


 
出来上がった膠溶液は少し白濁しているけど、水牛の膠のように臭くない。普段の膠と同じ濃度でやってみたところ、ちょっとトロッとし過ぎている気がして少し薄める。

この膠溶液で金泥を溶いて使用。
 
今やっている作業は、小さいターラーの衣への文様描き。


 

 
”発色”、、というか、金泥なので”輝き”は良し。
定着力がすごくいい。


これならもっと濃度を薄くしてもいいように思う。そうすれば気になっていた膠溶液のトロッとした感じもなくなるかも。

ただ溶液中に、溶けきらない細かく白い小さな浮遊物が結構あるのが気になるかな。

こういうのはきっと布かなんかで濾すんだろう。でも使用する量が量なだけに、溶液のほとんどが布に染み込んでしまってなくなってしまいそう。

広い部分に金泥を塗る作業なら、もっとこの膠の使い心地がわかると思うのでまた次のタンカでも試してみます。



 









 


ちなみにこの膠を薦めてくれたのは日本画家の藤岡先生。
画材、特に天然の岩絵の具とか染料、膠などに関する知識が非常に豊富で、僕自身会うたびにいろいろと教えてもらっています。天然の顔料、染料を使った日本画講座もされています。 https://www.facebook.com/saba.fuko


 
JUGEMテーマ:絵画


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