チベットの仏画タンカを描くスペイン在住の日本人


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”21尊ターラー” 〜その36 金泥 6〜
金泥文様も大詰め。
メインのグリーンターラーの衣への文様描き。





プロポーションや持物等々決まり事の多いタンカ制作の中で、尊格の衣等に描く文様は、絵師が工夫してかなり自由に描くことのできる部分の一つ。

単純な文様を、間隔を大きくとってササッと描き上げてしまえばかなり制作時間の短縮になる部分ではあるけれど、よほど制作に時間がかけられないという場合でもない限り、やはり時間をかけて細やかで綺麗な文様を描いた方が出来上がりのタンカの荘厳さは引き立つ。

描き上げることが目的で描くのではなく、充実した制作時間の果てにタンカの完成があるようにしたい。

今回のタンカでは、チベット語で”リティ”とよばれるオレンジ色の衣の部分に、いくつかの大きめの枠で囲った部分を描写し、その内側を蓮の花と唐草文様で装飾。




同じ衣の端の部分には、違いを持たせるために幾種類かの異なる花の文様をランダムに描いてみた。






辰砂で塗られた赤い衣の部分に使われている文様は、チベット語で”タシ・タゲ”とよばれる吉祥紋様。


この”タシ・タゲ”は”宝傘” ”金魚” ”宝瓶” ”蓮華” ”法螺貝” ”吉祥紐” ”勝幢” ”法輪”の八つがセットになったもので、チベットではタンカに限らず非常によくみられる文様です。

今回は小さな文様なのでそれぞれのタシ・タゲは簡略化したデザインにしています。
しっかりと描きこんだタシ・タゲに興味のある方は、以下のリンクより以前に制作したものをご覧ください。

・高僧を迎えるときの敷物
    http://thangka.sangkyap.net/?eid=23#sequel
・八吉祥の幟
    http://thangka.sangkyap.net/?eid=22#sequel
・八吉祥の扉絵
    http://thangka.sangkyap.net/?eid=80#sequel


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