チベットの仏画タンカを描くスペイン在住の日本人


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映画 ”唐卡”
今回はタンカの制作のことではなく、映画の紹介。
とは言っても映画のタイトルは「唐卡」、つまり「タンカ」。

 http://info.vanpeople.com/attachments/2014/11/167342_201411012012474x2Fo.jpg
伝統的なタンカを長年描き続けてきて、自分が師から教わった流派を未来へつなげていこうとする老絵師。

そういった伝統的なタンカにこだわらずに、自分の表現で新しいタンカを描こうとするその息子との対立。

そして老いた伝統的タンカ絵師が、自分の師の転生だと信じる才能ある青年。





タンカを描いている場面ももちろんあるし、チベットでの師匠を弟子の関係なんかも見れます。

師匠が作業場(青空工房)に現れると弟子は皆作業の手を止めて立ち上がる。
師匠にタンカを見てもらって一言もらうのを低姿勢で聞く。 
言葉を返すようなことはしない。



ところで、この映画の中では弟子の一人々が自分のタンカを始まりから完成に至るまで制作しているのですが、ネパールに沢山ある工房では、キャンバスを作る者、べた塗りをする者、線の描きおこしをする者、ぼかしを入れる者、、といった具合にそれぞれが専属の制作段階のみを行って、同時に複数のタンカを流れ作業で仕上げていくといったやり方をしているところが多かったです。

このやり方だと、完成までの制作時間はかなり短縮することができ、また絵師それぞれが担当する作業部分の腕がすごく上達します。 毎日々同じことをやるのだから、当然と言えば当然。

だからタンカは綺麗に短時間で仕上がって、工房の売り上げは上がる、と。

ただこのやり方だとそれぞれの絵師は自分の担当する作業の腕ばかり上がってしまい、いつまでたっても一人で良いタンカを描くことができないことになってしまうので、タンカという伝統を守っていくことを考えると問題があるように感じます。

僕が一時期インドで学んだ工房では、制作は流れ作業でしたが数人の絵師はみんな一人前で、特に専門の一作業を担当する者はなく、手の空いたものがその都度必要な作業をこなしていくというやり方でした。 この方がいいように思います。 
それでも下描きや線の描きおこし、そして開眼は師匠が一人でやっていました。


話を映画に戻します。

映画のなかでの会話はチベット語です。 
わかりやすいチベット語だし、英語の字幕もあるのでチベット語の勉強材料にいいかも。 
楽しみながら勉強。


個人的には、タンカを題材にした映画だしチベットの自然や街並みといった風景、そしてチベット語を聞くこと自体結構楽しみましたが、最後のほうで、

”タンカは中国の数ある伝統工芸美術の一つ” 

と出たところでピクっと反応してしまいました。
監督さんは中国人ということです。


Youtubeでも見れます。
https://www.youtube.com/watch?v=8pcX2cEgxn4



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