チベットの仏画タンカを描くスペイン在住の日本人


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”21尊ターラー” 〜 その39 〜
主尊のグリーン・ターラーの金泥を磨く。
足の部分の金泥は単に全体を磨くのではなく模様を描いてみました。
 

角度によって磨いた部分が輝くとこんな感じ。
 

金泥を磨くことで、輝いている部分の金属感とマットな岩絵の具とのコントラストが引き立ちます。
 

 
最後にタンカ全体を見て描き忘れ等を確認して、 
 
昨日2015年10月1日に完成!
 

途中、ベルギーからスペインへの引っ越しや他の仕事もあったとはいえ、このサイズのタンカ一枚にこんなに時間をかける絵師もいないだろうと思います。

本当に筆が遅いと少し反省。

でもその甲斐あって、主尊のグリーン・ターラーだけでなく、他の小さなターラーや阿弥陀仏もそれぞれ単独でも見るに堪えるくらい描き込むことができたと思います。


21尊ターラーの描写にはいくつかの異なる伝統があって、その一つ一つがそれを伝える高僧や絵師の解釈によってさらに異なります。

そのためにこのタンカの描きはじめには下調べにかなり時間がかかりました。

自分で所持している本や写真をはじめ、仏像や壁画を見るためにターラーを祀るチベット寺院を訪ねたり、ネット上で見つけれる限りのタンカの画像、そして英語、チベット語の両方の経典、文献、サンスクリット語(は読めないのでそれを英訳したものですが)など沢山の資料を参考にしました。

タンカの先生や、親しくして頂いている高僧の方々からも助言をいただきました。

制作の過程をアトリエで実際に、またはブログで見かけた方々からの応援のメッセージも沢山いただきとても励まされました。

そういったすべての方と、こんなに長い時間かかっても好きなように描かせてくれた施主の方に心から感謝したいと思います。

現代のような実利主義の世の中で、一枚のタンカを納得いくまで描かせてもらえる自分は本当に幸せ者だと思います。


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