チベットの仏画タンカを描くスペイン在住の日本人


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キャンバスの布について
少しずつ色を淡くしていって最後は下地の色に消え入るような暈しや、細くしなやかで流麗な線、そして細かい描写、これらを達成するためにとても重要なのが支持体(キャンバス)で、これは白い布にチョーク粉、膠水等を塗りつけて手作りされます。

タンカのキャンバスはチベット語で”レシ”といい、使われる布は多くの場合白い綿100%の布。

ネパールにいた頃は生地屋さんで「タンカ用の布」で伝わるくらい、”タンカならこれ”というある程度決まった布があってそればかり使っていたのが、日本やヨーロッパでいろんな布を目にしては試してみたくて買っているうちに結構な量になってしまって、今ではタンカの制作はまず布選びから。



 
下の画像のように、一口に白い布と言っても厚みや色合いは様々。
 

ネパールで普段使っていたのは向かって左から二番目の布。

 
こんな感じで結構布目は荒目。 

多くの絵師がこの布を使っていたけど、どういったレシが良いかは絵師によって異なる場合があって、少し厚めでしなやかなレシを好む絵師や、薄めだけれども少し固めのしっかりしたレシを好む人とかいろいろ。

だからレシに使う布も上の画像のような布目の荒いものを選ぶ絵師が多い中、もっと細かい布目のものを好む人もいる。


 以前シェチェン寺所有の古いタンカを撮影、その後に再び保管するためにタンカを巻くのを手伝う機会があって、タンカが大きいので2,3人での共同作業。一緒に巻いていた寺の僧侶からはもっときつく引っ張って巻くように言われたけれども、貴重なタンカで古いうえに、そのキャンバスの薄さに強く引っ張ると裂けてしまいそうな気がしてできませんでした。

そういうことも思い出して、今回は薄いものを選択。布目はかなり細かくしなやかな綿100%。
 

今回初めて使う布で、普段使っているものに比べるとかなり薄い。彩色の際に使う岩絵の具は結構強めの膠液で溶くので少し頼りない気もするけれど、物は試し。

選んだ布は木枠に張ることになるので、木枠のサイズにあった大きさに裁ち、更に商用の糊なんかを取り除くために一度洗って乾かしておく。ゴシゴシ洗うと毛羽立ってしまうので優しく。

あと布には引っ張ってみて弾力があって伸びる方向とそうでない方向があるので、確認して伸びない方向をキャンバスの縦向きに使うと良いです。 


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