チベットの仏画タンカを描くスペイン在住の日本人


<< November 2019 | 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 >>
 
→ English version
<< ターラー礼賛経 | main | 再稼動 >>
ブログ”日本画画材研究会”
化学的に合成された絵の具ができる以前、様々な”色”は自然の中に求められていました。藍銅鉱や孔雀石といった鉱物だったり、藍や茜といった植物、コチニールなどの生物だったり。

これは特定の国や地域に限ったことでなく世界中どこでも同じことで、あちこちの国の古い美術品で共通した顔料が使用されています。

チベットのタンカや日本画も同様に、使用される”色”の元はほとんど同じで、膠で溶いて使うといったように使用方法も共通している。
 
ただタンカの世界で見ると、こういった伝統的な画材での制作は時間的、経済的な理由から困難で、多くの絵師がポスターカラーやアクリル絵の具といった手軽に使用できる画材で制作をしているのが現状です。そのほうがより早く、より安く制作できるので。

多分世界中のほかの絵画分野でも同じようなことが言えるのじゃないかと思うけどどうだろう。絵画だけでなく、他のさまざまなことがそうなっているかもしれない。
そんな中で日本は、天然由来の画材を使用する伝統がしっかりと生き続けている数少ない国の一つだと思う。

昔ながらの画材を使用している画家が今でも数多くいる。ということは需要があるということなので、それを販売する店があって天然の顔料を入手することはそれほど困難でないし使用の手引書のような書籍も多数ある。

タンカを描いていて、天然の画材に心惹かれている海外の人にとっては本当に羨むべき国だと思うし、実際に顔料、膠、筆などを買ってくるように頼まれることも多い。

僕自身も日本に帰国する際は画材屋に行くのがもの凄く楽しみです。

日本ならではの便利な道具や良質の製品を見るのも楽しみだし、いろんな色の顔料が入ったガラス瓶がズラーッと並んでいるのは本当に綺麗。


もう何年も前になるけど、ふとしたことから日本で活躍する日本画家の方と知り合うことができました。その後その方を通じて文化財修復家の方々とも知り合い、それ以降日本に行くたびに時間を作ってもらってお邪魔していろいろな話を聞かせてもらっています。

その方々が作ったグループ”日本画画材研究会”のブログが公開されました。
gazai-ken.blogspot.com

先に書いたように、日本画とタンカでは使用画材がほぼ同じ、、といった理由から自分も誘っていただき記念すべき第一回会合に参加。
 
 
 
画材に関する知識ではとてもかなわないので、僕は話を聞きつつ質問専門。勉強になります。

二回目会合は朱の比較研究。いろんな朱を異なる膠で溶いて比較したみたいです。
 

 
こういうのって凄く大事なんだと思う。沢山の画家が興味を持つことなんだろうけど、自分でやるのは正直凄く面倒。だいたいいろんな朱を集めたりするだけで大変。でもみんなでやるのは楽しそうだなぁ。

僕は遠くに住んでいるしなかなか実際に会合に参加するのは難しいのが残念だけど、これからの研究報告を見るのが楽しみです。


COMMENT









Trackback URL
http://thangka.sangkyap.net/trackback/139
TRACKBACK