チベットの仏画タンカを描くスペイン在住の日本人


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タンカ絵師と健康 1

先週から崩していた体調もようやく良くなってきました。お見舞いのメールやメッセージをいただいた方々、本当にありがとうございました。

、、、という始まりでブログの更新をするはずが、インターネットの接続不良で早くも三週間近く。ネットの接続はいまだに回復していないけれども、スマホの方はつながるのでそれを使って更新。
 

今日も良い天気の中、仏教センターの買い出しでオーガニック市場に来ています。(これももう二週間ほど前の話ですが)

この市場は毎週末に場所を変えて開かれる市場で、野菜、果物、パン、蜂蜜、オリーブオイル、チーズなどのお店が出ていて朝からいつも賑わっています。
 


今回はこういう傘みたいな大きな木のある広場で。

 

僕らがいつも一番多く買うのがリンゴ。 いつも50個くらいは買います。


今回風邪を引いたときも、リンゴのすりおろしたのが本当においしかったです。オーガニックなので皮ごと。世界中どこで食べても同じ味のものは海外で体調を崩した時に本当に助かります。


以前(ものすごい前の話ですが)なら風邪をひいても何か精のつくものを食べて、ビールをギューッと飲んだ後で、服、帽子、靴下等々をいっぱい着込んで、その格好で重ねた布団の中で頭まですっぽり入って一寝入り。大汗をかいて目が覚めたら体を拭いて、楽なものに着替えて一晩寝る、、というやりかたで治していたけど、もうそういう無茶も出来ない年齢です。お医者さんもそういう無茶はやめましょうと言っていました(笑)

 

力仕事もなく、暑さ寒さの中を歩き回ることもなく、部屋で座ってするタンカ絵師の仕事は少しぐらい体調が悪くてもできます。

座り続けて腰が痛い、、、とか、目が疲れた、、ということ以外は肉体的には楽な仕事です。

が、風邪をひいてしまうとやはり仕事に差し支えます。

まず困るのが咳。

制作中は右手に筆、左手に絵の具の器を持っていて、もちろんタンカのキャンバスに向かっているので、そこで咳をしてしまうと手で口を覆うことも出来ず唾が画面に飛んでしまうことになります。

タンカ絵師は仏の姿を描く前から既にキャンバスにその姿を観想し、またその存在を感じながら作業を進めていきます。つまり例えタンカは完成に程遠く尊格の姿の下描きすらなくても、そこは既に仏の浄土であり、そこには仏が存在し、様々な供物が捧げられているのです。

格好をつけて言っているのではなく、そう教えられたし、二十年以上そうやって描いてきたので本当にそう感じます。

だから例え病気といえど、その清浄な場所に咳をして唾を飛ばしてしまうのはご法度。しかも咳が出てしまうと線が引けない。細かい描写も出来ない。いいこと無しです。

もう一つ困るのが鼻詰まり。

これも線を引きにくい原因に。

鼻が詰まっているともちろん口で息をするんだけれども、細かい描写をする時や長く細い線を引くときに口で息をするとどうもやりにくい。

タンカに関する古い書物には、タンカを描くのに適した心身の条件が挙げられていて、その中の一つに”食後すぐ、または満腹時は避けること”とある。

これは多分、胃が張っていると呼吸をする時にその動きが腹部で吸収できずに、肩や胸まで動くからじゃないかと思う。

鼻が詰まっているときもこれと同じ。

僕は線描きをする時は、浅く長い呼吸をすします。呼気と吸気の境がわからないくらい細く。鼻が詰まっているとこれがやり辛い。

口で息をすると、吐くときはいいけれども、どうしても吸うときに無理が。

 

ここで、今回のテーマに戻ります。

こういうタンカ絵師泣かせの風邪の症状に対して僕がやっていること。

喉鼻の症状に限るわけではないけども、風邪引いたかな?と感じた時はなにはともあれこれです!

 

 

エッセンシャルオイル・精油。

これは"PRANAFORCE"というフランスのオーガニック精油です。

いくつかの成分が混ぜられているものでメーカーのホームページでは、"Resistance and Natural defences"とあるので、免疫力や抵抗力を高めるオイルということです。

これをこのままマスクに数滴たらしたり、ハンカチに垂らしてそれを枕元に置いておくだけでもスッキリしますが、免疫力向上というよりも喉や鼻の直接洗浄として使う僕のおススメはこちらとの併用。


日本で何と呼ばれてるか知らないので、ネットで検索もできなかったのですがわかりますか。

パカッと開けることができます。
 

 

この中にお湯を入れて、そこにオイルを数滴垂らし容器の上の部分を再び取り付けます。そして容器の上の部分に口と鼻をあてがいオイルの効能が溶け込んだ湯気を吸いこむことで喉・鼻をスッキリきれいにしましょう、というもの。

お湯が熱い最初のうちは鼻がツーンとするので気をつけて。

お湯が冷めるか、オイルの効き目が薄くなったと感じるまでスーハー、スーハーやって、ズルズルになった鼻をかめばスッキリ!

鼻が詰まって、口で息をすると寝苦しいという人にもお勧めです。

僕はいわゆる”薬”というものをあまり飲まないようにしているので、身体を壊した時の治療はこういったナチュラル指向なものになるのですが、テレビや本を読みながらでもできるので(メガネは曇りますが)興味のある方は是非一度お試しください。

 

長くなってしまいましたが、今回の締めにもう一つタンカの線描きについて。

線が気をする時に息を止める人がいるけれども、これはあまりお薦めしない。

線が長ければ長いほど身体が緊張するし、第一疲れる。線を引き終わるごとに、”ぶはぁ〜ッッ!!”と溜まった息を吐かれると、横で見ている方まで疲れる。 息が続かないくらい線が長かったらどうするんだろうと思う。

線描きは、肉体的にも精神的にも緩めの状態が一番いいです。

「凄い集中力がいるでしょう」とよく言われるけれども、線描きのときは集中力でさえ緩めの方がいいように思う。

僕自身、線描きの作業中に少し集中し過ぎて固くなっていると感じたときは、”一昨日の昼食の献立は、、、”とかわざとタンカとは全然関係ないことを考えて少し緩めるようにしています。



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