チベットの仏画タンカを描くスペイン在住の日本人


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日本語は難しい
ブログテーマの前ふりをしておきながらブログの更新が滞ってました。

今住んでいるところは住宅地から山の手に少し入ったところで、うちより先には家は一軒のみ。あとはヤギ小屋とか、野ざらしの養蜂所があるくらい。インターネット接続の末端といったところです。

なのでもともとインターネットは遅かったのだけれど、最近それに輪をかけて遅くなり、ここ数日は接続すらできなくなっていました。

接続がなくなって数日しても回復する兆しがないので、プロバイダーに電話。スペインでは珍しくすぐに来てくれるとのこと。

色々と調べてもらった結果、うちの門の前まではちゃんとネットにつながっていて結構な速度もある、と。問題は門から家の中にきているケーブル、それを交換するようにと親切に新しいケーブルを何メートルもくれる。

でもその交換すべきケーブルは地面に埋もれていて、そのケーブルが通るパイプもどこか中の方で詰まっているらしく、ケーブルを引っ張ってもビクともしないので、せっかく来てくれた業者さんも俺にはお手上げ!という感じで新しいケーブルを置いて帰っていってしまいました。

一応ネットには繋がるようにしてくれたものの、、、遅い。

昔のネパールのインターネットカフェみたい。
ワンクリックごとに持参の本を読んで表示待ち。またクリックして読書、、、というような。

ま、そういう訳でブログの更新ができなかったという訳です。


さて今回は、前回”前ふり”までしたにも関わらず別件。
以前からお伝えしている21尊ターラの図像付経本についてです。

日本語、英語、フランス語で制作予定のこの冊子、なかなか先に進まないのでまずは日本語版の制作に集中することにしました。

何か新しいことをやろうとした時に障害が起きる場合は”もう一度よく考えた方がいいよ”という兆し、ということを聞きます。
が、それとは逆に今からやろうとしていることが素晴らしいことであるが故に何らかの障害が起きる、、とも言うので、今回の冊子制作は後者であると信じて前進。

それでなくとも慣れない作業や知らないことが多い本の制作。日本語版となると身近にアドバイスをもらえる人もいない中奮闘しています。

文章も少なく、ページ数も大したことない小冊子をつくるのでさえこんなに大変なのか!と実感。
特に日本語版は一番大変なのではないかと思います。
21尊ターラの礼賛経はチベットではとてもポピュラーで、お坊さんに限らず在家の人の中にも全文を何も見ずにスラスラと唱えることができる人が沢山いるほどです。

今回の冊子は、そのターラの礼賛経を21尊の各図像付きで、というのがポイントなのですが、今のところ肝心の画像の部分よりも文章部分で難航中。

経典の本文や訳文は自分でやるわけではないのでまだ助かってはいるものの、作業が進めば進むほど注意すべき点がどんどん出てきます。

自分で本の制作をやってみて初めて気付く点で、今まで本を読んでいるときには気にもしたことないことばかり。

それなら読み手にはそれほど重要でないのか、、なんてことはなく、すべて読み手のことを考えての重要な工夫ばかりです。いや、重要なんだということに初めて気付きました。僕のタンカの先生を始め、立派な本を出版しているすべての方を尊敬したくなります。

読んでいるときは気付かないだけで、そういう細かいけど大切な決まり事が沢山あるんです。読んでいて違和感がないということは、そういう部分がしっかりとできているということ。

やってもあまり意識されない地味な部分ではあるけども、やらなかったら凄く目立つ、、といった感じの作業です。

読みやすく綺麗なフォントは?
行間ってどのくらいが読みやすい?
文字の間は?
ふり仮名の大きさは?位置は?

日本語、わかってないなぁと痛感しました。


書き上げた後の間違い探し、校正。これがまた大変。
書き間違いって気付かないものです、本当に。

周りにいる人はフランス語圏の人が多いので、フランス語版は既に何人かにチェックしてもらったので大丈夫そうです。

英語版も、訳は有名どころの訳をそのまま使わしてもらえることになったので問題ないと思いつつ、これもまた知人のイギリス人に見てもらったら何か所かスペルの間違いを指摘してくれました。

そして日本語版は自分でやります。

何回も見直してもう大丈夫!と思っていても、何かの拍子に間違いを見つけて、また全ページを再点検したりしてます。

チベット語の部分は一から打つのは大変なのでネットにあるターラ礼賛経を利用してやるんですが、どれを見ても綴り間違いがあるからこれも要校正。
慣れない日本語の仏教用語と違って、チベット語での経典が頭に入っているからどうしても読む速度が速くなってしまって更に間違いに気づかない。

プロの人に頼んだほうがいいよ、と言ってくれる人もいたものの、日本語、フランス語、英語、更にチベット語の綴りと読みの校正やってくれる人なんていない、、、でしょう。


この冊子制作の初期の時点で見本用に作ったものにはマイクロソフト社のHimalayaというフォントを使ったのですが、どうもバランスがおかしいので変更決定!(因みにこのHimalayaというフォント名、Tibetという言葉を使用しないところになんとなく中国への配慮を感じてしまいます)

そしてその読み方を記すカタカナ部分は、文字のサイズは少し小さくゴシック体で!

日本語の訳文は明朝体で少し大きめに!

ふり仮名は普通は本文の半分くらいのサイズだけど、日本語訳の文中にたまに出てくるチベット文字と重なってしまう場合があるからもう少し小さく!

でもちゃんと読める程度の大きさで、”ょ”とか”っ”といった通常は小さい字も小さくしない!

まだまだあるかもしれません!
何か出てくるたびに21尊分の前ページを再確認!

等々、違和感なく使ってもらえるように頑張ってます、、、という21尊ターラ図像付経本の制作状況の報告でした。

ネットの接続が遅いため画像も無しです。
何とかネット接続の速度回復してほしいものです。このままでは完成したデータも印刷会社に送れないので困ります。


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