チベットの仏画タンカを描くスペイン在住の日本人


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タンカ ”ユム・チェンモ” 〜Part 1〜

この夏は仕事場に蟻がかなり侵入してきて困っています。

食べ物なんかをつい放置しておいたらすぐに大量発生。

まぁ、その辺を這っているだけならいいのですが、体にも這い上がって来るわ噛みつくわでなかなか困ったものです。もちろん制作真っただ中でも遠慮なしです。

集中して細い線をスーーーっと引いていると、脚がモゾモゾと。くすぐったいと言うか痒いというか。でも引いている最中の線からは手も目も離せないので我慢して作業に集中。むやみに触れると殺してしまうので、線を一旦引き終えてから息を吹きかけて退散してもらい作業再開。

暫くすると、同じ蟻だか別のだかはわからないけれどもまたモゾモゾとやってくる。我慢して線を引き、その後退散してもらう、、、を繰り返すんだけれども、たちの悪い奴だとやたらと噛みついてくる。

制作していると足のあたりがモゾモゾするので「あ、また来たな、、」と思いながらも制作続行。そうしていると、そのうちにチクーーっと噛みついてくる。しかも一度噛んだらなかなか離さない。線引きの最中だと「痛っ!!」っとか反応もできず、その痛みに耐えながら心を無に、、、はできないまでも集中力を保ってスーーっと線を引き終える。見てみると普通よりも小さい蟻が力いっぱい噛みついてほぼ逆立ち状態。息を吹きかけた程度では離れてくれないので、筆の先でちょこっと触れて退散してもらいます。

今回の投稿は、毎日暑い中こんな感じで集中力と忍耐を試されながら制作したタンカの紹介。

 

2作ありますが、どちらもユム・チェンモを主尊にギャジンとツァンパの立像。日本語だと般若仏母に帝釈天(インドラ)と梵天(ブラフマー)、、、かな。で、どちらもほとんど同じ構図。違うのは彩色方法。

1枚は通常のタンカと同じように彩色し、もう1枚はもっと薄塗りで彩色します。ツァクリと呼ばれる儀礼用の絵札をはじめ、小さなサイズのものを彩色する時によく使われる彩色方法です。もちろん使用する絵の具はどちらも天然の岩絵の具がメインです。

まずは下描き。

 

一面四臂の女尊です。

向かって左に梵天。手には法輪。

右側には帝釈天。手には法螺貝。

もう一枚のタンカ。ほとんど同じ構図で、こちらを淡彩色で進めます。

線の描き起こし。

淡彩色の場合はこの線が最後まで残るのでとても大事な作業。

 

タンカの下描きはもともとは木炭でラフに行い、それをもとに墨などでしっかりと描くのだけれども、今は鉛筆があるので墨での線の描き起こしをしない場合も結構多いです。

 

藍を用いて空の彩色から。

 

同じ藍を用いるので、続けて水や雲も彩色しておきます。

 

《続く》

 



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