チベットの仏画タンカを描くスペイン在住の日本人


<< June 2019 | 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 >>
 
→ English version
<< 尊格の輝きを飾る”パタ” | main |
日本一時帰国とワークショップ

※お陰様でワークショップは満席となりました。ありがとうございます。日本でも多くの方がタンカに興味を持っていると知ってとても嬉しいです。

以降のお申込みはキャンセル待ちとなります。

金曜日の講座はまだお席があります。タンカを習ってみたい方、また既に習っている方を励ますために(笑)西 洋児が初めて描いたタンカの画像なども用意しています。皆様のご参加を心よりお待ちしています。(2019年5月27日追記)

 

来月6月から7月にかけて1か月ほど一時帰国します。なかなか帰国することができず、4年ぶり?くらいの帰国です。

そして今回は帰国期間中にタンカの講座とワークショップを開催することになりました。以前から、次回帰国時には!と誘っていただいていた企画で、やっと、という感じです。

場所は東京曙橋のチベットレストラン タシデレにて、6月28日(金)、29日(土)、30日(日)の3日間です。

初日の28日はタシデレ特製ディナープレートを味わいながらの講座となります。講座でお話しする内容は未だにいろいろと思案・準備中なのですが、いくつか予定しているものをイベント告知のフライヤーに記載したので参考にしてください。

タンカを描き始めたのは、ネパールではまだまだインターネットも普及していなくて、デジタルカメラも持っていなかったもう20年以上前のことで、そのころの写真やネガをガサゴソと出してきて確認しながら現在スペインで準備中です。

よく聞かれる、タンカ絵師になった経緯なんかも含めていろいろと話したいと思います。

土曜日と日曜日の午後のワークショップでは、テーマを“花”として蓮の花を描きます。

花、中でも蓮の花は仏教に深く関係するモチーフで、多かれ少なかれタンカの中には必ずと言っていいほど描かれています。

今回は週末の午後の時間を使って、この蓮の花をチベット伝統のカルマ・ガディ派というタンカの一流派の描き方で描いていただきます。

実際の作業としては、こちらで用意した蓮の下絵を色紙にトレース、それに下塗りをして線を描き起こし、暈し(ぼかし)を施していただきます。作業段階で言えばこれだけなのですが、作品の良し悪しを大きく左右する線描きや、細かい線で作り出す暈しの作業はタンカを描く上で欠かせない技法なので、作品を仕上げる、と言うより、技法を身につける、といったつもりでじっくりと取り組んでいただきたいと思います。

とは言うもののやっぱり出来上がった作品を持って帰ってもらいたいので、時間内に完成まで辿り着けるように下絵の蓮にシンプルなものを用意したところ、それを一輪描いただけでは作品として少し物足りないし、チベット色もあまり、、、と感じたので、いろいろと考えた結果こういうものを作ってみました。

特製の種字スタンプです。

制作していただく蓮の花を仏様の連座として、彩色完成後にこのスタンプを金色で押します。

このスタンプ、正直なところどういう感じになるか自分でも不安だったのですが、完成品が届いて(これもまぁ、いつものスペインのようにサイズが注文したのと違っていたり、、といろいろありましたが)実際に色紙に押してみたのを見てすごく気に入ってしまいました。将来もっと別の種字や他のデザインもスタンプにしたいです。

今回は観音菩薩、そして阿弥陀仏の種字でもあるHRIと、ターラ仏母のTAMというチベットで最も広く信仰されている二つの尊格の種字をチベットの文字で用意しました。

更に今回のワークショップでは各作業の注意点等を説明するのに、ついこの間印刷があがってきた"Introduction to Traditional Thangka Painting"~花編~という本からのイメージを使います。

この本は基本的には初心者向け方のマニュアルで、タンカの描き方の簡潔な説明、、、今回は花編なので花の描き方、、、と、後半には僕自身もこれからタンカを制作する際によく利用することになる、カルマ・ガディ派のタンカに描かれる様々な花の下絵を70点余り紹介しています。

予定では今後、雲、水、炎といったものから、動物編など少しづつ進めていって、それに合わせたワークショップで詳しい説明を加えながらいつかは尊格を描いた本格的なタンカに結び付けば、と考えていて、今回はその第一弾です。

この本を書きながら痛感したのが、タンカの制作方法といった、通常では見て体験することで学んでいくことを説明する難しさ。文章で書くと逆に変に伝わってしまうような気さえします。

だから、というわけではないけど、実際にこの本には文章での説明はありません。文字さえほぼありません(笑)

本のタイトルが英語で書いてありますが、世界中の人に使ってもらえます。

技法の注意点やヒントはロゴで示してあります。

「見て学ぶ」という感じの本です。

IKEA方式です。

でも多分見ただけではわかりません。

ごめんなさい。

だから別紙に各ロゴの説明を付けて本に挿むことにしました。

でもそれでも伝えきれないようなこと、僕がチベット人の先生に教わったことや今までの経験から学んだことでタンカの技法をまだ知らない人に伝えたいことがロゴの一つ一つにギュッと凝縮してあります。

そういうことを各ページの画像を見てもらいながら今回のワークショップの中で説明しようと思っています。

仏画をはじめ、他の絵画技法に通じている方には当たり前だと感じる説明もあるかと思いますが、普段絵を描かない人にもわかってもらえるように極々基本的なことも記載しました。

本は近いうちにAtelier NISHIのオンラインショップで購入できるようになります。

ただスペインからの送料がかかってしまうので、イベント開催期間中にレストラン タシデレで購入いただくのが送料分お得です。

購入前に実際に見てみたいという方も是非期間中にタシデレにお越しください。

一応数に限りがあるので、講座やワークショップに参加予定の方は申し込みの際に本の購入希望、と言ってもらえればより確実です。

講座で出てくるディナープレートのメニューはまだ聞いていないのですが、自分でもすごく楽しみにしています、、、と書きながら、自分も食べれるの?僕が食べる時間はあるの?などと仕事、、というのを忘れて食い意地のはった心配したりしています。

線描きは集中力と心と体の安定です。細い筆先が色紙をなぞる音が聞こえるほど集中してみましょう!

暈しの作業は時間のかかる作業ですが、慣れてくれば話をしながらでもできる作業です。

「ソーデス、ソーデス。ツカレタラ、ヤスム、ヤスム、ネー」とネパール時代にルームシェアをしていたカルマ先生の弟子ユンドゥンも言っていたように、疲れたら少し息を入れながらゆっくり、でも確実に進む作業過程自体を楽しんでください。

因みに講座のほうはちょっと時間の都合上無理ですが、ワークショップは日本語、英語、チベット語、フランス語である程度対応できます!スペイン語はまだまだ勉強中(笑)

 

 

 

 

 

JUGEMテーマ:アートワークショップ



COMMENT









Trackback URL
http://thangka.sangkyap.net/trackback/171
TRACKBACK